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アメリカ疾病予防センター(CDC)での病例検討会で、アメリカ国立衛生研究所(NIH)で慢性疲労症候群(ME/CFS/SEID)研究の主任研究員Dr. Avindra Nath等が、所内で新しく始まる研究についてプレゼンを行いました。 研究は以下の3つのフェーズに分けて行います。 Phase 1 横断研究により、慢性疲労症候群の表現形・病態生理学を明らかにする。 Aim 1 病気のすべての分野の詳細な精査を行い、臨床像を明確にする。 Aim 2 関連している脳回路を明確にするため、脳のf-MRIを用い、疲労の生理学的基礎を明確にする。Metabolic chamberの代謝を調べ、自律神経の調査に加え、経頭蓋磁気刺激法(TMS)も行う。これらの検査は運動後に行う。 Aim 3 脳髄液と血液の免疫学的な調査を行う(1,500サイトカイン・2,500のプロテイン)。消化器や喉頭のマイクロバイオームも調べ、脳髄液に対し、プロテオミクスとメタボローム解析を行う。 Aim 4 被験者から採取した細胞・血清から、実験的に症状を再現できないかという新しい試みを行う。 Phase 2 バイオマーカー・長期の研究を行う。 Phase 3 Phase 2で特定されたバイオマーカーの介入試験を行う。 主任研究員: Dr. Avindra Nath 主任治験担当医師: Dr. Brian Walitt 執行委員: Dr. Elizabeth Unger (CDC), Dr. Ian Lipkin (コロンビア大学) ※関連記事 #MEpedia 'NIH Post-Infectious ME/CFS Study' #ME Action 'Transcripts and Slides from Dr Nath’s talk...

昨年度、アメリカ国立衛生研究所(NIH)の所長Dr. Francis S Collinsが、慢性疲労症候群(ME/CFS/SEID)の研究を加速させると宣言した。 NIHが授与している疾病に対する研究費は、年間で合計300億ドル(3兆4千万円)程度にも及ぶ。しかし、慢性疲労症候群は、わずか500 ~600万ドル(5億7千万円~7億円)程度を行き来していた。2015年度は、265の区分において249位であり、花粉症や男性性薄毛より研究費が少なく、トゥレット症候群と同じぐらいの研究費である(参照:NIH - RCDC)。その一方で、同程度の障害レベルである多発性硬化症(MS)は、アメリカで患者数が40万人にもかかわらず、9,400万ドル(約110億円)の研究費が与えられており、いまやQOLは遥かに上回っているHIV/エイズには、30億ドル(約3400億円)もの研究費が与えられている。患者団体は、経済的損失等から試算し、慢性疲労症候群は、250万ドル(約280億円)程度の研究費が妥当であるとしている。 そのような細々とした研究であったが、昨年度にアメリカ国立衛生研究所(NIH)の所長が、「科学がまだ解明できていない多くの謎めいた病の中で、慢性疲労症候群は最も困難なものであるとわかっている。刷新された研究に集中することにより、困難かつ衰弱させる病気の原因を特定し、予防や治療が開発されることを願っている。」と発言し、所内の国立神経疾患・脳卒中研究所(NINDS)で、慢性疲労症候群の研究を始めることとなった。 研究の詳細は以下のとおり。 被験者は、感染症後に発症し、カナダ・コンセンサス診断基準(CCC)・IOM・Fukuda and Reevesを含む全ての診断基準を満たすこととする。 労作後倦怠感(PEM)が基準とされ、運動負荷の前後での広範囲な調査を行う。 コロンビア大学のDr. Ian Lipkinが、研究デザイン・方法について研究員に助言をする。 専門医が、被験者の選別を行い、多施設研究に参加した者も含んでいる。 対照グループに、感染症後に発症した慢性疲労症候群患者と、感染症から回復した患者を比較するために無症状性のライム病が選ばれ、さらに明らかに精神的な病気であるが、神経症状を呈している機能性運動異常症(Functional Movement Disorder)も対照グループとする。 40名の感染症後に発症した患者を集めようとしており、長期的に研究を行い、時間とともに症状がどう変化するかを調べる 調査は広範囲に及ぶ。 これまでとは違い、明らかにNIHは慢性疲労症候群に対して力をいれているようにみられ、所長はアンプリジェン・リツキシマブを治療薬として治験を行うことも示唆しており、概ね患者団体にも評価されている。新しく行われる研究に対する疑問についても、担当者と患者団体等と何度かミーティングが行われており、意思疎通もなされている。 まだまだ、患者団体が妥当とする250百万ドルという研究費には及ばないが、一つのステップを上がったことは確実で、この研究がさらなる研究の必要性を訴えることができ、慢性疲労症候群が受けるにふさわしいだけの扱いを受けることを期待する。 ※関連記事 Health Rising 'Hear More Tuesday about the NIH Clinical Study during CDC’s Grand Rounds' Occupy CFS 'The NIH Plan' ...

#ME Action Networkに、'CDC Grand Rounds on ME/CFS Tuesday'が掲載されました。 今週火曜日(米時間)に、アメリカ疾病予防センター(CDC)の月例症例検討会で、4つのプレゼンテーションが行われ、アメリカ国立衛生研究所(NIH)所内ではじまる研究のプレゼンテーションを、神経免疫学が専門の主任研究員 Dr. Avindra Nathが行います。 当日の模様は、CDC-Public Health Grand Roundsで生中継されます。 4つのプレゼンテーションは以下のとおりです。 Dr.Charles W. Lapp - "Clinical Presentation of Chronic Fatigue Syndrome" Dr. Elizabeth R. Unger - "Public Health Approach to Chronic Fatigue Syndrome" Dr. Anthony L. Komaroff - "Lessons from the Institute of Medicine and...

12の米患者団体、77名の医師・研究者等が、致命的な欠陥があるとして、第三者によるレビューのためローデータの提出等を求めているPACE Trial論文とはどういうものなのか。 PACE Trialとは、イギリスの精神科医等が政府から5百万ポンド(約8.2億円)の研究費によりなされた大規模な治験であり、適応ペーシング(APT)・認知行動療法(CBT)・段階的行動療法(GET)・専門医による治療(SMC)の4つの治療法の効果を調べ、認知行動療法・段階的行動療法を受けた患者が優位に症状が改善したという結果が、2011年にランセット誌(精神医学)”Rehabilitative treatments for chronic fatigue syndrome: long-term follow-up from the PACE trial”と題し掲載された。 その結果、メディアでは「ポジティブシンキングと運動の恐れを取り除くことで回復する」「疲れている患者は、外に出て運動することが最善の回復方法」「精神療法が慢性疲労症候群を改善」等と報道がなされた。さらに、各国の治療ガイドの中に認知行動療法・段階的行動療法が有効な治療の中に含まれることとなった。 当初より患者団体などから批判されていたが、昨年、公共衛生ジャーナリストのDavid Tuller氏が、Virology Blogに、‘TRIAL BY ERROR: The Troubling Case of the PACE Chronic Fatigue Syndrome Study’と題する記事で、PACE Trialの致命的な7つの欠陥をを掲載したことにより、批判が加速した。欠陥のいくつかは以下のようなもの。 回復したとする基準の変更 SF-36という健康関連のQOLを測定する尺度をPACE Trialでも採用されていたが、途中で回復基準を広げ、慢性疲労症候群患者のままでも回復したと分類された。実際、13名の被験者は、治験の最初から回復していると分類されている。 治験の途中で、被験者に段階的行動療法と認知行動療法が功を奏しており、イギリス政府から推奨されており、現段階で受けられる最良の治療だというニュースレターを送っていた。 広範囲な患者になってしまうOxford診断基準を用いており、うつ病が一次的な患者も含まれていた。 英患者団体はME Associationは、段階的行動療法(GET)を受けた後、症状がどうなったかというアンケートを2012年におこなったが、80%が症状が悪化したと返答した。 いまだに、研究者等はローデータを出すことを拒んでいるが、先んじてアメリカ国立衛生研究所(NIH)のサイトには、推薦している治療から、認知行動療法(CBT)・段階的行動療法(GET)は省かれた。 ※関連記事 #ME Pedia 'PACE trial' Health Rising 'Investigative Reporter Shreds PACE CBT/GET Trial: Calls Mount for...

Mail Onlineに、'How the hell of chronic fatigue drives sufferers to suicide: Those battling condition are SIX times more likely to take their own lives'が掲載されました。 慢性疲労症候群(ME/CFS/SEID)患者は、自殺で死亡する確率が一般より6倍にのぼる等が記されています。...

慢性疲労症候群(ME/CFS/SEID)と脳髄液減少症の記事を書いたが、いくら調べても両疾患の関連性を示す研究というものがなく、探している中で、むしろ逆に髄液圧が向上しているというものをみつけました。しかも、髄液を抜いたら症状が改善したという論文 ” JRSM Short Rep. 2013 Nov 21;4(12) “Lumbar puncture, chronic fatigue syndrome and idiopathic intracranial hypertension: a cross-sectional study.”が出されていることがDr. Cort Johnsonのブログ "Pressure Building? Study Suggests Cerebral Spinal Fluid Pressure May Be Causing Problems in Chronic Fatigue Syndrome"で紹介されていました。 20人の慢性疲労症候群患者に腰椎穿刺をしたところ、20%が髄液圧が高く、頭蓋内圧亢進症(IIH)の診断基準を満たしており、腰椎穿刺による髄液圧を下げたことにより17人(85%)の患者が症状(頭痛・集中力の低下・疲労)が減じたと答えた。この論文を出した医師は、IIHの診断基準を満たす圧が高く設定されているため、正常範囲でもIIHの症状を呈することがあるのではと述べています。 そして、このブログの記事には、穿刺の時に脳髄液圧が高かったかどうか・穿刺の後に症状が改善したか・どのような症状が改善したかというアンケートがあり、2月10日時点で以下の様な結果でした。 穿刺の後、医師が脳髄液圧がどうであると言ったか? 正常 86(13%) やや高い 123(19%) 高い 379(59%) 何も言わなかった 50(8%) 穿刺の直後、症状はどうなったか? 非常に良くなった 220(34%) 少し良くなった 226(35%) 変化なし 111(17%) 少し悪くなった...

日本の患者会が、「慢性疲労症候群に対する正しい認知を」と度々言っているが、そもそも、この団体が正しい認知を広めているのか? ちょっと思いついただけでも、以下の点が気になるので検証してみた。 1. アメリカ疾病予防センター(CDC)が慢性疲労症候群を器質的疾患と認めた。 グレイ:CDCは2006年に慢性疲労症候群の認知キャンペーンを行った中で、慢性疲労症候群という病気が存在するという宣言がなされたが、当時の主任は精神疾患と見なしていたとされ患者団体から批判されており、CDCの慢性疲労症候群に対する対応は、それ以前もその後もよくなく、批判され続けていた。 2. イギリス政府は、慢性疲労症候群を器質的疾患と認めた。 虚偽:イギリス政府が器質的疾患だと宣言したことはなく、患者団体からむしろ逆にとらえられています。おそらく、イギリス国民保健サービスの長官が、NICEガイドライン(治療ガイドライン)を発布したことを誤解して、器質的疾患と認めたと思っているのでは? 3. 日本の慢性疲労症候群研究は欧米に立ち遅れており、イギリスは研究が進んでいる。 虚偽:アメリカ・欧州とも研究費は他の疾患に比べ抑えられており、それに比べ日本では文科省の疲労研究に組み入れられたため大型予算がつき、慢性疲労症候群研究にも多額の研究費が充てられ、研究者も多数集まったため研究が進み、米の患者団体等からは賛辞を受けていた。 イギリスは、Dr. Jonathan Kerrという研究者が一人気を吐いていたが、キングス・カレッジ・ロンドン大学を筆頭に、慢性疲労症候群を精神疾患とみなす研究者が多く、研究費も精神的な側面(PACE Trial等)に重点をおき研究がなされていた。 4.  患者にXMRV(異種指向性マウス白血病ウイルス関連ウイルス)が検出されたので、慢性疲労症候群が器質的疾患 であることに疑いの余地はない。 虚偽:医学的に、特定のウイルスが検出されただけでは器質的疾患だと言えず、精神疾患であってもウイルスが検出されることがあり関連性が示唆されることがある。しかも、追試でXMRVが検出されないことが続いたにもかかわらず、それについては公にせず盛んに原因かのように喧伝していた。結局、当論文はコンタミであったとされ撤回されたが、ウイルスが原因であることは否定出来ないと患者会はコメント・・・ 5.  慢性疲労症候群はウイルスが原因であって、ストレスが原因ではない。 虚偽:医学的な用語としての原因であれば、慢性疲労症候群は明らかに原因不明である。推察の域ではあるが、Contributing Factor (寄与因子)・Trigger (引き金)・Risk Factor (危険因子)として、ストレスからは発症しないと言っているのかもしれないが、欧米でも感染症以外にストレスを含み様々なものから発症することもあるとされています。 6. Leonard Johnsonは慢性疲労症候群の専門医である。 虚偽:Leonard Johnson氏は、De Paul大学の心理学者であって、慢性疲労症候群の疫学・診断基準等の論文を出している。プレゼンで慢性疲労症候群の専門医として紹介されている人等は、それほど著名ではなく、自分たちとコンタクトを取れている人を紹介している? NPOとして認められている団体が、しかも「正しい認知を」と言いながら、自身が誤った認知を広めていることで、患者に正しい判断をすることを損なわせミスリードしてしまっているのは明らか。...

慢性疲労症候群諮問委員会 (Chronic Fatigue Syndrome Advisory Committee)の勧告に対し、アメリカ政府の回答がアメリカ合衆国保健福祉省(HHS) 'Recommendations from the Chronic Fatigue Syndrome Advisory Committee (CFSAC) and Agency Responses, August 18-19, 2015 CFSAC meeting'に掲載されました。 ※関連記事 Solve ME/CFS Initiative 'Solve ME/CFS Initiative Grades the HHS Response to CFSAC Recommendations' Health Rising 'Feds Fail First Test of the “New” Chronic Fatigue...