髄液を抜くことで症状が改善?


慢性疲労症候群(ME/CFS/SEID)と脳髄液減少症の記事を書いたが、いくら調べても両疾患の関連性を示す研究というものがなく、探している中で、むしろ逆に髄液圧が向上しているというものをみつけました。しかも、髄液を抜いたら症状が改善したという論文 ” JRSM Short Rep. 2013 Nov 21;4(12) “Lumbar puncture, chronic fatigue syndrome and idiopathic intracranial hypertension: a cross-sectional study.”が出されていることがDr. Cort Johnsonのブログ “Pressure Building? Study Suggests Cerebral Spinal Fluid Pressure May Be Causing Problems in Chronic Fatigue Syndrome“で紹介されていました。

20人の慢性疲労症候群患者に腰椎穿刺をしたところ、20%が髄液圧が高く、頭蓋内圧亢進症(IIH)の診断基準を満たしており、腰椎穿刺による髄液圧を下げたことにより17人(85%)の患者が症状(頭痛・集中力の低下・疲労)が減じたと答えた。この論文を出した医師は、IIHの診断基準を満たす圧が高く設定されているため、正常範囲でもIIHの症状を呈することがあるのではと述べています。

そして、このブログの記事には、穿刺の時に脳髄液圧が高かったかどうか・穿刺の後に症状が改善したか・どのような症状が改善したかというアンケートがあり、2月10日時点で以下の様な結果でした。

穿刺の後、医師が脳髄液圧がどうであると言ったか?

  • 正常 86(13%)
  • やや高い 123(19%)
  • 高い 379(59%)
  • 何も言わなかった 50(8%)

穿刺の直後、症状はどうなったか?

  • 非常に良くなった 220(34%)
  • 少し良くなった 226(35%)
  • 変化なし 111(17%)
  • 少し悪くなった 38(6%)
  • かなり悪くなった 46(7%)

どのように良くなったか?

  • 頭痛の軽減 249(50%)
  • 覚醒 29(6%)
  • 明晰 82(17%)
  • リラックス 53(11%)
  • その他 83(17%)

20人という小規模な研究ですが、炎症・感染症・自己免疫疾患等で脳髄液圧が高くなるそうなので、慢性疲労症候群で脳髄液が増え脳髄液圧が高くなっていても不思議ではないのかもしれません。
ちなみにこのブログのアンケートで「髄液圧が低下している」という選択枠はありませんでした。Dr. Cort Johnsonは慢性疲労症候群患者の医師であり、ブログで極めて多くの情報を頻繁に詳しく発信してくれているのですが、今まで得られた情報を元にすると慢性疲労症候群では髄液圧が低下しているなどとは全く考えていないのでしょう。

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8 Responses to 髄液を抜くことで症状が改善?

  1. ナノ のコメント:

    はじめまして。
    突然すみません。脳脊髄液減少症患者です。
    交通事故原因ですが、症状としては慢性疲労症候群とも言えます。

    髄液を抜く治療法、日本でもやってる医者が一人だけいます。
    脳脊髄液減少症患者は、その医師がいるのを知っている人は知っているのですが、
    慢性疲労症候群の方々にはあまり広まってないのでしょうか?

    • vincent のコメント:

      ナノさん、コメントありがとうございます。
      返信が遅れてすいません。

      慢性疲労症候群の人では、髄液を抜く治療法を知っている人は少ないんじゃないかと思います。
      でも、髄液を抜いても、髄液はどんどん生成されていくから、
      髄液を抜いた時しか、効果がないんじゃなかと思いますが、
      髄液は定期的に抜く療法なのですか?

      • ナノ のコメント:

        ご返信ありがとうございます。
        おっしゃる通りで、効果は一時的なことが多いようです。
        何回か定期的に髄液を抜いたり、硬膜外に空気を注入したりと、様々なことを試している患者もいます。
        お一人だけ、1回髄液を抜いたらほぼ完治し社会復帰したという人のブログを見たことがあります。

        • vincent のコメント:

          ナノさん

          コメントありがとうございます。
          髄液が多少、慢性疲労症候群の症状に影響を与えているにしても、
          髄液圧だけで全部の症状と関連しているとは思えないのと、
          一回抜いただけで治るというのも理論的にはおかしいことのように感じますね。

          • ナノ のコメント:

            そうですね。
            日本では外傷後の体調不良が髄液減少によるものだという説がメジャーになりましたが、
            米国では髄液ではなく脳そのものが画像には写らないレベルで損傷しているという説がメジャーですので、
            慢性疲労症候群も髄液だけの話ではないと思われますね。

  2. vincent のコメント:

    ナノさん

    髄液はそれほど関与していないと思いますよ。
    海外では髄液の多い少ないというのはほとんど言及されないですが、
    髄液の中の免疫物質のようなものは調べることがある程です。

    米国で脳が損傷しているというのがメジャーというのも、
    私にとってはどうかなと思います。
    免疫も神経も内分泌も含め異常があり、原因は不明というのが一般的ではないでしょうか。

    • ナノ のコメント:

      脳損傷の話は、日本で交通外傷後に脳脊髄液減少症と言われている人は、米国なら軽度外傷性脳損傷と診断されるだろうという意味でした。
      慢性疲労症候群からそれた話をしてました。
      話がおかしくてすみません…。

      たしかに慢性疲労症候群の人は原因不明だと思います。

      • vincent のコメント:

        ナノさん

        レスありがとうございます。
        慢性疲労症候群と脳髄液低下が関連しているとされているのは、
        日本でのみの現象であって、
        私の意見では、全く別の病気であると判断しています。

        確かに身体的なトラウマ(衝撃)で発症する例はあるそうですが、
        それで、脳髄液が漏れているとはされていないので、
        脳の損傷が関連していることは否定できないでしょうけれどね。

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