米国医学研究所(IOM) 新しい診断基準・病名発表


Washington Timesに、’Chronic fatigue syndrome is a physical disorder, not a psychological illness, panel says‘が掲載されました。

米国医学研究所(IOM) が、慢性疲労症候群(ME/CFS)が身体的疾患であり、精神疾患ではないと言明し、新しい診断基準と病名 Systemic Exertion Intolerance Disease (全身性労作不耐性疾患「訳は自信がありません」)を発表した等が記されています。
305ページのレポートは、The National Academics Press ‘Beyond Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome‘から無料で閲覧・ダウンロードできます。

尚、この発表では以下の報告等がなされています。

  • ME/CFSは、深刻・慢性的・多系統な疾患であり、患者の活動をしばしば、劇的に制限する。
  • アメリカでの患者数は、83.6万〜250万人
  • 診断を受けていない患者は、84〜90%
  • 医療従事者が懐疑的であること・精神的な病気である・患者の想像による作り事等という誤解により、診断を受けることに困難を伴う
  • 疾病区分ICD-10に新しいコード(慢性疲労や神経衰弱と関連しない)を追加する
  • systemic exertion intolerance disease(全身性運動不耐性病:SEID)を慢性疲労症候群(CFS)・筋痛性脳脊髄炎(ME)に変えて利用することを推奨する。
  • 病因・病態生理学・有効な治療のための研究費が著しく不足しており、委員会はサブグループを特定できず、疾患の自然経過を明確にすることすらできなかった。さらなる研究が必要である。
  • アメリカ合衆国保健福祉省(HHS)は、診断・治療ガイドを作成すべきである。

新しい提案された診断基準は以下のとおり。

以下の3つの症状がある。

  1. 疲労が伴うことにより、罹患する前の職業的・教育的・社会的・個人的活動の著しい減少・悪化が6ヶ月以上続き、しばしば深刻で、新しくかもしくは明確な発症があり、過度の労作によるものではなく、休息によって著しく回復しない。
  2. 労作後倦怠感
  3. 睡眠により回復しない

以下の2つのうち1つの症状がある。

  1. 認知障害
  2. 起立性障害

新しい病名 systemic exertion intolerance disease (全身性運動不耐性病:SEID)は、100以上の選択枠から選ばれ、筋痛性脳脊髄炎(ME)については異なる診断基準を必要とし、すべての患者を包括するものではなく、現段階では脳の炎症の証拠がそれほど多くないということ、筋痛性というのはこの病気に際立った症状でもなく、多くの患者らにとって激しい症状ではないこと等が理由で不適切としています。
ただし、SEIDは拘束力はないそうです。

この発表により、米患者団体 Solve ME/CFS Initiative代表 Carol Head氏は以下のようにコメントしています。

“This is a defining moment for the disease,” said Carol Head of the Solve ME/CFS Initiative, the largest advocacy organization. Beyond improving diagnosis, the government-funded report should spur more research to understand and treat the disease, she said.
※参照元 CTV News ‘Group urges new name, more specific diagnosis for chronic fatigue syndrome

「これは、この病気にとって決定的な瞬間です。」と語り、肯定的に捉えています。

一方、心理学者で疫学の研究者であるLeonard Johnson氏は、以下の様にとらえています。

Leonard Jason, a psychology professor at DePaul University in Chicago and an expert on the illness, predicted that patients would be reluctant to accept the new name.

“The committee has come up with a name without vetting it,” said Dr. Jason. “And they will basically get a tremendous amount of discontent and dissatisfaction right from the starting point, because the patients want something very different.”
※参照元 New York Times’Chronic Fatigue Syndrome Gets a New Name

患者らは新しい名前を受け入れることに躊躇するだろう。委員会は詳しく調査しないで名前を思いついた等と語っています。

英患者会 ME Associationは不満のようです。

My gut feeling is that the IOM proposal is not going to gain sufficient support from either the international patient community, or the international medical community.
※参照元 ME Association ‘Name change committee report | Comments by Dr Charles Shepherd, medical adviser, ME Association | 11 February 2015

「私の直感では、IOMによる提案は、国際的な患者団体や医療界からも十分な支持は得られないだろう。」と述べています。

英患者会 Action for MEの代表はやや激しい批判をしています。

Sonya Chowdhury, CEO, Action for M.E., says: “It goes without saying that much is lacking in terms of how M.E./CFS is viewed: there’s a substantial lack of understanding, a lack of knowledge, a lack of support, a lack of validation, a lack of recognition, a lack of compassion and, for many, a lack of humanity in how they are treated.
※参照元 Action for ME ‘IOM report: our response, your views

どのようにME/CFSを捉えているかに関して、多くのものを欠いたまま行われた。理解不足・知識不足・援助不足・妥当性不足・認知不足・共感不足、そして、どのように扱われるかについての人間性の不足が多大にあったと述べています。

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