ニューヨークタイムズ 「慢性疲労症候群(ME/CFS)論文撤回の余波は大きい」


New York Timesに、’Fallout From Fatigue Syndrome Retraction Is Wide‘が掲載されました。

Falloutというのは、(核爆発による)放射能物質の降下・死の灰という意味もあるが、
(予期せぬ)副産物・結果・余波などの意味があります。

訳しようによっては、サイエンス・PNAS両誌に掲載されたレトロウイルスと慢性疲労症候群(ME/CFS)との関連の撤回によって、
「死の灰が広がっている。」とも訳せるのだが、おそらく余波の方が合っていると思う。
最後の方では良い知らせもあるのだから。

論文撤回のみならず、 XMRVウイルスを報告したDr. Judy Mikovitsの逮捕にまで至ったこと等に対し、
ストーニーブルック大学教授・IACFS(国際慢性疲労症候群学会)の代表は、

“I’m stunned that it’s come to this point,” said Fred Friedberg, a professor at Stony Brook University Medical Center and president of the International Association for C.F.S./M.E., a scientific organization. “This is a really sad unraveling of something that was perhaps going to generate a whole new direction in this illness.”

「ここまで来てしまったことに驚愕している。」「これは、この病気に総合的な新しい道を作り出すかもしれなかったものの本当に悲しい破綻である。」と。

次にアメリカ疾病予防センター(CDC)のことが記されている。

Patients have long accused the mainstream medical and scientific community of neglect and abandonment. Many say that the C.D.C. has largely treated their disease as a psychological or stress-related condition.

A 2010 paper from the agency, for example, galled patients with the conclusion that they suffer disproportionately from “paranoid, schizoid, avoidant, obsessive-compulsive and depressive personality disorders.

患者等は、CDCが慢性疲労症候群(ME/CFS)を精神疾患・ストレスに関連した症状として扱ってきたとして批判している。
例えば、2010年度に出された論文では、 慢性疲労症候群(ME/CFS)と人格異常との高い関連性を示すものであった。

患者等は、CDC 前慢性疲労症候群(ME/CFS)研究の主任 Dr. William Reevesを批判してきていた。
Dr. Reevesは、慢性疲労症候群(ME/CFS)をbiopsychosocial condition(心身症?)と捉え、研究実績も芳しくなかったのだ。
アメリカ合衆国保健社会福祉省(HHS)に、Dr. Reeves批判の筆記録が掲載(PDF)されている。
多分、諮問委員会での患者団体からの発言だと思います。

そのDr. Reevesが辞任し、新しくDr. Elizabeth Ungerが慢性疲労症候群(ME/CFS)の研究主任となったので、患者等は自身等の病気を真剣に取り組んでくれるのかと期待していたのであるが、出された論文が、エモリー大学と共同で出された慢性疲労症候群(ME/CFS)と人格異常が関連性が高いという論文であった。
患者等は怒り、再びCDCは闇の時代に入ったと思ったのだ。

XMRVを報告したDr. Judy Mikovitsの暴走は止まらなかった。

Even as her work was publicly debated, the blunt and feisty Dr. Mikovits raised eyebrows among other scientists for stating at conferences that murine leukemia viruses could be related to autism.

マウスに関連したウイルスは自閉症とも関連があると、会議で発表したのである。
自閉症患者にウイルスが検出されなかったにもかかわらずにこのような言及をしたため、
フォーブスの記者には、偽科学者と呼ばれた
Dr. Mikovitsの研究所であったWPIは、慢性疲労症候群(ME/CFS)患者にXMRVが感染していないかを調べる検査のビジネスを始めている。噂では次々と陽性と出ているとか・・・

悪いニュースばかりではない。

The events of the past couple of years, though disheartening to chronic fatigue syndrome patients, may have a silver lining: Research into the disease, much of it privately financed, is ratcheting up.

主に個人の寄付により新しい研究が始まろうとしてるようで、
1,000万ドルの研究費が、The Hutchins Family Foundationにより投資され、ニューヨークのMout Sinai病院で研究・治療が行われているよう。
アメリカ的というか、このように大金持ち等が研究に多額のお金を研究をささげる。
XMRVを報告したWPIも不動産業を営む大金持ちによって建てられた研究施設。

第3者的にみれば、やはりお金持ちが、精神疾患を患っているが内科的な病名が欲しいがために、慢性疲労症候群(ME/CFS)という病名が欲しいようにみえるのかなとか思う。
構図でいえば、政府と私設の研究機関の対立にみえるね。

Despite the personal and professional setbacks for Dr. Mikovits, many patients, like Ms. Solomon, continue to believe that a retrovirus is causing their illness.

Solomom氏は脚本家であり、慢性疲労症候群(ME/CFS)患者で20年以上ほとんど家の中で暮らしているが、
Dr. Judy Mikovitsのプライベート・公的な失態にもかかわらず、レトロウイルスが慢性疲労症候群(ME/CFS)の原因であると信じ続けると。

個人的には、信じるのは本当のことを信じたいよねって思います。。。

引用元 New York Times ‘Fallout From Fatigue Syndrome Retraction Is Wide

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