学術的ではなく思想?


医療ガバナンス学会に、「Vol.354 思想から語る「慢性疲労症候群」」が掲載されたのを読みました。

“慢性疲労症候群をともに考え る会”の方や支援者は、「2009年のScience誌では、67%の患者にXMRV(異種指向性マウス白血病関連ウィルス)が発見され、2010の PNAS誌においても、87%にマウス白血病関連ウイルスが発見され、病名も”筋痛性脳脊髄炎”と改められる議論が活発化されているのだから、器質的疾患 であることに疑いの余地はない」と言いたいであろう。
私はそれらをすべて認めたうえで、

我々は私達の病気を科学、つまり学術的に証明されねばならないのではないだろうか。医師が思想で語ってもらっては困るのではないだろうか。
この記事を書いた医師が言うとおり、筋痛性能脊椎炎の会(旧ともに考える会)代表の篠原三恵子代表の医学的見解は、学術的ではなく思想である。しかも、その思想とは疑似科学である。この代表がXMRVが発見され、器質的疾患であることに疑いの余地がないとまで語っているが、医学に多少詳しくあれば、それが間違っているということは分かる。可能性として、慢性疲労症候群(ME/CFS)の患者でよく見られる、NK活性低下が体内で感染している複数のウイルスを再活性させているが、XMRV・MLV共に再活性しているだけということかもしれなかった。 過去、EBウイルス・ヒトヘルペスウイルス等が原因かもしれないと言われたが、結局そうではなかったことを繰り返していることをみても、ウイルスが見つかっただけではすぐにウイルスが原因である・器質的疾患であるとは言えないのである。つまり、医学的には誤った情報をこの患者会は出しており、その過程で医学者による検証がなされていないのである。この記事を書いた医師も、なぜ思想で語り学術的に書けないのか。こういった謝った医学的見解を主張する会の前では、学術的に書けないのではないだろうか。

篠原代表の主張している事柄を抜粋したい。

  • ストレスが原因ではない。
  • 完璧主義の人が発症しやすいということへの批判
  • 認知行動療法(CBT)が有効性への批判

これらに共通することは精神的なことが絡んでいることである。
つまり、篠原氏が科学的・学術的にそれらを否定している のではなく、篠原氏の精神的なものを排除したいという願望から、それらを否定しただけのことであると容易に想像がつく。さらに、顧問がいながら機能していないということである。説が間違っていると批判している研究者を顧問に招いたりするのも筋が通らない。

こういうことは慢性疲労症候群という病気の存在を否定・懐疑的な者達が思っているように、患者等は疑似科学で病気の存在を示そうとしているということを助長することになるのではないか?

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3 Responses to 学術的ではなく思想?

  1. 思わず書いちゃったよ。患者会が語っているのを暗唱しているかのような医師・あるいは援助者はある意味偽援助者なんだよね。 http://t.co/94frotR9 #慢性疲労症候群

  2. 山田 のコメント:

    昨年 後半期から世界的に「CFSの原因がレトロウイルスXMRV」が否定され始めていたのに 患者会はパラダイムシフトとか何とか言って厚生労働省に「CFSの原因はレトロウイルス」の可能性が高いのでこの方向で研究する事を要望した。その結果どうなるのか?
     世界的に「レトロウイルスのCFS原因論」が否定される中で厚生労働省はCFS研究予算を削減する公算が大で有る。もしそうなれば患者自身が自らを苦しめてしまう結果になるのではないか?それを心配する人は多いのではないだろうか?

  3. admin のコメント:

    山田さん

    あるソースからは、CFS研究班が出来るのは確定で、
    3年で6,000万円という研究費らしいですね。
    イギリスはこの約4倍ありますが、
    額が少ないと患者団体が主張しています。

    アメリカとの比較の遷移は大まかですが、
    2倍・5分の1・15分の1というふうに減っていくことになります。

    次々とXMRVが検出されていなかったのに、
    「ウイルスを原因として研究せよ。」
    「欧米から立ち後れている。」
    などとメディアで言われたら、
    役所も研究費は出し渋りますよね。

    研究費を多く出させるのであれば、
    患者の数・重傷度・経済的損失等を訴えておくべきであったと思います。

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